院内管理のレベル・アップ 診療
医療業務の標準化・4
業務処理基準の標準化(1)
榊田 博
1
1京都産業大学
pp.50-51
発行日 1977年10月1日
Published Date 1977/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206354
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1.診断に関する基準
医療をすすめるには,いろいろの生体情報を科学的に分析し,それぞれの状況に対応し,多くの医療手段の中から必要なものを取捨・選択することが基本となる.受診者の過去から未来を通じて一貫した医療を行うには,一つの医療方法に固定することなく,状況の変化に応じてすみやかに他の医療方法に移行しなければならない.そして病期,病型に適応し総合的な効果が得られるように努める.
生物反応が多様で不確定要素が多いだけに,医療のすべての過程で目的に沿った処理を正確に行うには,高度の技術と豊かな見識が要求される.医療にかかわる意志決定は必ずしも普遍的に,だれにでも分担できるものではない.疾患の診断に個々の医師による相違が起りうる.しかし,医療が生命に直接結びつくものである事実を思えば,医療のあらゆる段階で仕事の処理が,より正確に,より簡単に,しかも効果的に処理できることが望ましい.いろいろの症状や検査結果を組み合わせ,ある疾患の断定を容易にするための一つの方法として,鑑別診断ないしは診断基準が用いられる.保険診療についても,「保険診療における治療指針」として「高血圧,精神病,慢性胃炎,胃・十二指腸潰瘍,性病,結核の治療指針」が編集された.
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