院内管理のレベル・アップ 麻酔
麻酔部門の問題点・3
麻酔と社会保険
山下 九三夫
1
1国立医療センター麻酔科
pp.54-55
発行日 1977年4月1日
Published Date 1977/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206207
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麻酔に関する社会保険の特殊性
"昭和23年頃に麻酔に関する社会保険診療報酬が制定されたが,当時は日本に麻酔を専門とする医師がいなかったので,手術者の責任において手術料のほかに低廉な麻酔点数が設定されていたにすぎなかった.たとえば心臓手術の麻酔に際しても,手術料2万3,000円に対し麻酔料は2,000円にすぎず,さらに術前術後の監視,管理料もなかった.大部分の麻酔は手術料に含まれるとの判断で,独立請求の習慣はなかったため,今日の大きな不合理が招来されている.すなわち乙表では脊椎麻酔は1,512円以下の手術または処置でなければ,麻酔料はとれない.また乙表には筋注麻酔や注腸麻酔の点数はない.麻酔科医師が独立して開業しても,他の病院に出張して麻酔を行った場合,独自の麻酔料を自ら請求できない不合理がある."--
以上は昭和42年5月24日,すなわち10年前に"中央医療協議会"なる社保点数を論議する場に,医療側から"緊急措置を要すべき社会保険診療報酬の資料"の中に"麻酔料についての歴史的展望"として提出されたものである.
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