病院建築・86
肢体不自由児施設の再検討—整肢療護園の病棟改造をめぐって
小池 文英
1
1整肢療護園
pp.73-78
発行日 1976年8月1日
Published Date 1976/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205992
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はじめに
整肢療護園は故・高木憲次東大名誉教授が大正の頃から着想し,多年の努力・苦心の末に,昭和17年5月に現在の地に創設したものである.
2万坪の敷地(現在は1万2千坪)に105床の施設で,当時としては良く整ったモダンなリハビリテーション病院であったが,終戦の年に軍事工場と間違えられ,再度にわたって焼夷弾の集中攻撃を受け,建物すべてを烏有に帰してしまった.わずかに焼け残った看護婦宿舎を改修して少数の肢体不自由児を収容し,細々と療育の灯をつないできたところ,戦後,児童福祉法が制定され,この中に児童福祉施設の1種として肢体不自由児施設が座を占めることとなった.
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