グラフ・レポート
地域住民との対話を求めて—愛知・更生病院 第3回病院祭・学院祭
石原 信吾
1
1厚生省・病院管理研究所
pp.70-71
発行日 1976年2月1日
Published Date 1976/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205832
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相互怨恨を相互信頼へ
医療とは,それを提供する側と受ける側との相互信頼の上に立って,はじめて成り立つはずのものである.ところが,現在そこには逆に相互不信,あるいはさらに相互怨恨とも言えるような関係さえ認められるように思う.社会に真の医療を確立するためには,そういう状態を解消することが何よりも必要である.しかし,その原因は非常に根深いところにあるので,一朝一夕にはそれは達成されそうもない.結局,当事者間の,問題の核心についての賢明なる洞察と,それに基づく意識的かつ積極的努力に待つ以外はないであろう.
私は,その努力の実例を愛知県安城市の更生病院に見ることができた.同病院は,病床数490床の厚生連立の総合病院である.昨年,創立40周年を迎えるにあたってその記念行事を市民に開放し,市民も混えて盛大にやろうということになり,私もその行事のひとつに参加させていただいたのである.
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