研究と報告【投稿】
院内感染,特に緑膿菌感染について
高橋 勝三
2
,
荒木 威
3
,
原岡 潔
4
,
知識 研治
5
,
田浦 和歌子
2
,
荒川 文子
5
,
中原 久江
4
,
緒方 廣市
6
,
松本 英雄
7
2武蔵野赤十字病院外科
3武蔵野赤十字病院内科
4武蔵野赤十字病院小児科
5武蔵野赤十字病院産婦人科
6武蔵野赤十字病院医事課
7武蔵野赤十字病院検査
pp.81-83
発行日 1975年6月1日
Published Date 1975/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205646
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まえがき
院内感染の問題が論議され始めたのは10年くらい前であるが,東京都下三多摩地区で500床のわが武蔵野赤十字病院においても最近委員会が設置された.外科の末期直腸がん,脳外科手術創,気管切開創部,内科の褥創患者で緑膿菌の発生をあいついでみたからでもある.緑膿菌に限らず院内感染全体を対象とする対策委員会で,委員長(内科部長)のほか,外科部長,小児科部長,外科系病棟婦長,小児病棟婦長,医事課長,細菌検査技師をもって構成され,他科・課も必要に応じ随時委員会に加えることにしたが,脳外科の参画は必須と考えられた.
委員会はまず緑膿菌問題をとりあげ,半年にわたり資料を集め,研究を重ね,討議を繰り返した.問題は純医学的と言うより医学・社会的な色彩が濃いが,院内の職場人間関係にまで影響を与えるほどの勢いをみせた経験は,多くの病院にもご参考になろうかと考え,われわれの試行錯誤を公にする次第である.
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