特集 近代化する病院組織と医師
診療技術部門における医師の働き
小酒井 望
1
1順天堂大学付属順天堂医院
pp.26-29
発行日 1974年9月1日
Published Date 1974/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205428
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臨床医学の進歩に伴い,医師は専門分化し,また医療を分担ないし協力する医師以外の専門職種が出現し,その職種の数も次第に増加の傾向にある.かつては1人の患者の医療は1人の医師だけで行なったのが,異なった専門の医師が協力し,いわゆるグループ診療の形態が生まれ,さらにパラメディカルの職種がこれに協力するという形態に変わってきた.そしてこれらパラメディカル職種を指導・監督して医療を分担する医師,患者を受持たない医師が現われた.
第二次世界大戦までのわが国の総合病院は,総合とはいうものの専門各科がただ軒を連ねた寄り合い世帯で,総合の機能はほとんど果たされていなかった.しかし戦後,欧米医学,とくに米国の医学がわが国に紹介され,医療の著しい進歩に即応するためには,専門分化と,かく専門化された各科の協力が必要となり,総合病院は‘総合’の実をあげることが要求された.そして‘病院管理学’なる聞き慣れない言葉が使われるようになり,病院機能を能率化し,また高あるために中央部門が置かれるようになった.この中央部門の中に,ここでいう診療技術部門が必要となったわけである.この部門で働く医師の数も次第に増加しつつある.
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