病院のクオレ
第4話 協力診療(その1)
原 素行
1,2
1病院管理研究所
2元 都立広尾病院
pp.53
発行日 1974年4月1日
Published Date 1974/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205323
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協力診療という言葉
協力診療という言葉は,あまり広く用いられていない.戦後,聖路加病院の橋本寛敏院長の口から出た言葉であったと記憶する.しかし,言葉が新しくとも,主治医が他の医師の意見を入れて診療の正鵠を期する方式は,在来から行なわれていた.病院以外では,対診として,しかし,対診と言えば,なんとなくギコチない.いや,時には,われこそは……という場面があったという.院内では,患者を他科の医師に一時回して,意見を求めることは常識であり,時には,他科の診療が適当であるとすれば,患者をそちらへ移す.ともかく,1人の患者が,1人の医師または1つの科で診療を受けることが建前であった.主治医権ということになる.主治医が議長となって,他の医師と会合し,問題提起を行なって診療の正鵠を期することが,協力診療である.橋本先輩は,この方式の経験者である.
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