第23回日本病院学会演題選
救急患者のテレビによる管理方式
岩本 正信
1
,
武田 久尚
1
,
新井 清一
1
1東北大学医学部病院管理学教室
pp.39-41
発行日 1973年12月20日
Published Date 1973/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205212
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外傷患者の処置はとくに第2次世界大戦が始まって以来絶えまなく改善されてきた.ことに外傷患者を含めて一般救急患者に対する十分適切な初療の必要性が叫ばれるようになった.そのため救急車による緊急救助の場合でも,事故現場で十分適切な処置を行なった後で搬送を開始し,受傷してから病院到着までの間は一貫して医師の管理のもとにあることを理想としている.しかし,実際に救急車を運営する場合,救急車ごとに医師を乗務させることは事実上困難とされており,現状では救急隊員に初療を委ねていることが多い.
したがって,児玉俊夫らは外傷の予後は初療にもっとも大きく支配されることを強く指摘し,これはたんに医師だけの問題でなく,緊急救助に実際面であたる消防署や工事現場の救急隊員を十分指導すべきである.いかに外傷にたずさわる医師が完全な救急処置が行なえても,救急隊員の処置が完全でなければその救助に当然限界がある.実際面より見れば,むしろこの後者の教育を徹底させることがたいせつである1)と述べている.
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