時評
老人の入院
ぞ
pp.58
発行日 1973年8月1日
Published Date 1973/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205076
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48年1月1日から国による老人医療無料化制度の実施後,病院における老人の入院の増加が指摘されている.今年3月実施された自治体病院協議会の‘自治体病院における高齢患者調査’の報告でも,全入院患者中70歳以上の高齢者の占める割合が一般病院での16.4%から18.6%と上昇し,老人患者の伸びもわずか3か月の実施で18%の上昇があったことを示している.
全人口の中に占める老齢者の増加傾向,そして若年者と老齢者が医療にかかる率の高いことから考えて,老人の入院は今後の病院にとってまことに大きな問題となることは,容易に想像がつくことである.おそらくこのままの上昇傾向が続くならば,現在の病床の多くが老齢者の入院によって占められること,その結果多くの専門職種が急速に不足し,医療費のかなりの部分がそのため消費されるであろうことが確実なものとして予測される.
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