保健・医療と福祉
二つの在宅老人福祉サービス—老人給食と短期入院制度
北浦 春夫
1
1調布市福祉事務所
pp.282-283
発行日 1979年4月15日
Published Date 1979/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205825
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「独り暮らしのお年寄りたちに給食を……」と考えて,新規事業として老人給食の実施案を練る段階になって,私がまず考えたのは「温かい手づくりの食事を食べてもらおう」ということであった.老人給食を実施している先進市の例をみると,老人ホームや病院に調理を委託,配食のみをボランティアの協力を得て実施している市が多いようである.
病院に入院した折の,あの冷たい,ユニフォーム給食にうんざりした経験のある私には,もし老人給食をするならば,ボランティアの市民にもう一歩つっこんだ奉仕を期待して,手づくりの温かい食事をお年寄りに食べてもらいたい,という気持ちが頭にあった.そうすれば,ただ単に給食ということだけではなく,いっしょに食事をしながらの会話の中で,老人同士の仲間づくりや,ボランティアとの心のふれあいなどで,孤独感の解消も図れようとの一石二鳥のねらいである.
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