病院建築・54
長野県・市立大町病院
杉森 格
1
1田中西野設計事務所
pp.83-88
発行日 1973年7月1日
Published Date 1973/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205057
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設計の過程
大町市は長野県北部北安曇郡の中心に位する人口3万余の小地方都市であり,北アルプスや黒四ダムの入口として知られている.市街は周囲を山に囲まれ西から北にかけてのアルプスのながめが美しい.海抜約720メートルの高冷地であり,冬の寒さは厳しく積雪もかなりあるが,夏は湿度が低く過ごしやすい気候であり,四季を通じて豊かな自然環境に恵まれている.
大町病院の医療圏は人口11万余であるが,医療施設の整備が遅れており,とくに大町市以北の町村は山地の多い過疎地域であり,昭和2年に開設された市立大町病院は唯一の公的病院として,地域医療活動を続けている.また,北アルプスをひかえているため,毎年遭難者の手当て,屍体の収容など,山岳事故の救急活動件数も多い.
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