グラフ
瀬戸内海をめぐる診療船—岡山済生会総合病院の活動をみる
pp.13-17
発行日 1973年7月1日
Published Date 1973/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205037
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瀬戸内海を走る一そうの診療船がある.その名は済生丸.医療にめぐまれない瀬戸の離島,へき地のために行動する無料の検診船である.その活動はすでに10年にわたって持続しているが,ひとくちに10年といっても,その道は長く,困難であった.新しいことをはじめる者がつねにそうであるように,最初は周囲に誤解されたこともしばしばであった.そしていまも乗り超えるべきいくたの問題をかかえている.
が,ともかく10年の実績をつくりあげ,瀬戸内海検診が軌道にのりはじめたことは確かである.船にも寿命がきて,いま2世号の建造が急がれている.つまり,第1ラウンドはおわり,2ラウンドめにはいるというわけだ.瀬戸内海社会医学の確立というひときわ巨大を目標にむかって,済生丸の前途はなお遠くけわしい.
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