特集 新時代の病院組織
求められる新たな病院部門の姿
物品管理供給部門
佐々木 恭二
1
1横浜労災病院事務局
pp.43-44
発行日 1998年1月1日
Published Date 1998/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902307
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日本病院会の諸橋会長は「日本の医療の10不可思議」の中で,「国民の生活水準が向上し住宅事情もよくなっているのに1人当たりの病室の面積が4.3m2と終戦直後の1948年に定められた医療法のままである」,「日本の医療技術は先進国に比べても決して劣らないが,国民医療費は国民所得比でアメリカの1/2,欧州の2/3と安く,職員数は欧米先進国に比し100床当たり1/2〜1/4と少なく,1床当たり延べ床面積は1/3〜1/4程度と狭い」と指摘しておられる.また,よく欧米先進諸国の医療と比較して,日本は「医学は一流だが,医療は三流」といわれる.「日本の病院は三流」と断言されているといってよい.病院の管理部門の重要な一つの物流部門のシステムの遅れは,日本の病院管理の遅れであり,三流病院の原因の一つといえなくもない.
ようやく近年,患者サービスや患者のアメニティがいわれ始め,進みの遅い病院の近代化もようやく認知されるようになってきている.医療技術のめざましい発展は,当然のことながら医療機器・医療材料などの質・量的拡大につながり,院内物流システムをいやがおうでも見直さざるを得なくなっている.21世紀に生き残れる一流の病院たり得る条件の一つは「強い物品管理システム」を持つことといっても過言ではない.
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