病院職員のための医学知識・6
麻酔の進歩
若井 一朗
1
1鳥取大学医学部付属病院
pp.72-73
発行日 1973年6月1日
Published Date 1973/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205024
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ひとくちに麻酔といいますが,いくつかの方式があるわけでしょうね.
麻酔を大きく分けて,局所麻酔と全身麻酔があります.局所麻酔は手術する場所に注射する浸潤麻酔と,手術する場所を支配する神経のもとのほうを麻痺させる伝達麻酔に分かれます.脊椎麻酔というのは後者の1種で,そのうち脊髄膜を出たところで麻痺させるのが硬膜外麻酔です.
全身麻酔を大別すると吸入麻酔と静脈麻酔ですが,ふつうはこれらが併用されます.吸入麻酔は肺からガス状の麻酔剤を与えますが,これが同時に呼吸を調節する技術を麻酔医にもたらしました.筋肉をゆるめる薬を使って手術をやりやすくするのも,呼吸調節の技術があればこそできることです.
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