病院建築・48
順天堂大学付属医院新館の検査室
林 康之
1
1順天堂大学臨床病理
pp.81-86
発行日 1973年1月1日
Published Date 1973/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204891
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
順天堂大学付属医院新館は昭和47年5月に完成開院した.その新館3階に設けられた本院中検の一部を紹介し,設計から実稼動に至るまで携わったものとして,気づいた点を述べたい.
新館は13階建ての400床で,外来,手術室,救急施設,輸血部などのほか管理部門も含み,1つの病院として十分に独立した機能を備えている.従来の本院病床数を加えると付属医院全体の病床数は約1000床となり,外来患者の臨床検査も多く,検査件数にして最近は10-13万件/月を中検で処理している.この検査件数は新館建設にあたって当然予想されたところであり,旧病棟中検ではとうてい処理できない状態にあった.そこで,中検の拡張整備のため新館内に入れることが検討され,結局はスペースの関係で中検の一部が新館に移転し,残余が旧中検内で移転あとの部分を占めるという拡張の形式となった.すなわち,病院中検が旧本院側と新館とに2分されており,両者を合わせて完全な中検ということである.したがって,中検全体としての設計は新館内中検には考慮されていない.そこで最初の設計の段階から中検の一部,とくに化学,血清など精密な器具,機械を用いる検査部門のみを設置するつもりであった.理想的な中検の設計,設備というには全体がまとまっていないことをお断わりしておきたい.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.