人
農民とともに健康な村づくりを進める 富山県・上市厚生病院長 越山健二氏
豊田 文一
1
1金沢大学医学部
pp.18
発行日 1972年10月1日
Published Date 1972/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204797
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朴訥な風格のうちに真心がある.名利を追わず,片田舎の病院に二十数年間,農民とともに歩いてきた彼に敬意を表さざるをえない.昭和17年本学を卒業すると同時に,海軍軍医として従軍,不幸にも戦傷のため片足をもぎとられ,不自由なからだで,広範なへき地をかかえた農山村で,あれだけの仕事ができるだろうか.農民の健康管理とひとくちにいえるが,なみたいていのものではない.にもかかわらず健康な村づくりは彼の手によって着々進められ,コンピュータによる健康の情報処理も実現に近い.私は友人のひとりとして彼の大成を願ってやまない.
他面彼は文化人である.絵画・版画はくろうとの域といえる.彼の日記は絵日記であり,フィールドの仕事の合間にも,コツコツその感概を絵筆にしたゝめ,ときには木に刻みこむ.
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