病院史のひとこま
企業会計制度導入の周辺
山元 昌之
1
1愛知学院大学
pp.51
発行日 1972年6月1日
Published Date 1972/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204684
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ストウンさんと橋本先生
昭和15年ころ,私が‘病院経営’をテーマに研究にとりかかったときストウンさんの著書で1),国際病院協会(現在のIHFの前身)というのがあり,その協会で国際的な病院会計組織立案の計画があることを知った.この立案の方向は上記の書物でわかるが,その後の具体的な進行状況やその内容がわからない.戦時中のことで文通もできない.この協会の機関誌にNosokomeionというのがある.これに発表されているかもしれない,と考えて,大学の図書館を通じて全国へ照合してもらった.東大に,1936年までのものが若干あった.借覧したが載ってない.1937年以後のものは日本に来てないようだ.そんなことで,気になりながら月日が経っていった.
昭和25年の春,当時GHQの教育改革が強力に推し進められていたときで,大学の幹部を集めたセミナーが地域ごとに開かれていた.それに1週間出席して帰ってきた.ちょうど大学の前でバスを降りたとたんに呼びとめられた.このお客が橋本先生(現,厚生団理事)だった.初対面で,どうして私を識別して下さったのか,今でも不思議に思っている.これが橋本先生との出会いで,それから今日まで御懇意に願っている.土曜の午後のことで,大学の自室へご案内しても,お茶一つさしあげられないので,近くの官舎へご案内してお話をうかがった.
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