特集 伝票制度の研究
企業会計組織に於ける伝票制度の一例
落合 勝一郞
1
1聖路加国際病院
pp.23-30
発行日 1953年10月1日
Published Date 1953/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200705
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まえがき
病院管理論は注目すべき速度で発展して居る様であります。特に診療部面での改革は全く隔世的なものがあると云われますが,この反面,経営面に於る改善は必ずしも軌道にのつて居ないのが現実の様に見受けられます。特に病院会計,資材管理の面に於て著しい後進性が目立ちます。
米国に於ては「病院の第一の機能はpatient-careであり,同時に病院はBusinessである」と一般に云われて居りますが,診療と経営とは病院の有機的な2つの要素であることは間違いありません。日本に於ける病院の在り方を見ますと,診療面の改革が進んでいる反面,経営面に至つては近代企業の尺度を以てすれば全く手の付けられない様な保守硬直を示して居る所が多いのではないでしようか。原因に就いては従来色々と批判され,分析されて居りますが,要はデパート式に集成膨脹した病院企業は医師の片手間では最早手に負えない位に複雑多岐に亘る内容に変ぼうして仕舞つたこと。又,事務担当者が唯古い経験の集積だけで腰だめ運営が出来る程,生易しいものではなくなつて来て居ること等にあると思います。
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