医療・病院管理用語ミニ辞典
—病院管理—企業会計と官庁会計/—治療薬—血液凝固因子製剤
一条 勝夫
1
Katsuo ICHIJO
1
1自治医科大学病院管理学
pp.504
発行日 1987年6月1日
Published Date 1987/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209085
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企業の場合は目的活動である商品やサービスの生産結果としての収益と,そのために消費された費用とを正確に計算しなければ,どれだけの利益が生じたか,あるいは欠損が生じたかわからない.このため医業のように年中継続して行われる事業については計算期間を定め,その期間に発生した売上高をもれなくとらえるとともに,そのために費やされた給料,材料,諸々の経費を計算し,これを損益計算書という形にまとめて利益あるいは欠損を確認する.
これに対し官庁会計の場合は年度によって支出計画をたて,これに基づいて予算を得,支出を経理する.官庁は収益を上げることを目的とする企業ではないから,収益のない場合もあるし,たとえあったとしても,支出とは無関係に処理される.要は予算が計画通りいかに正確に効率的に執行されたかを経理するので,消費会計の性格をもっている.また,予算の出入,つまり金銭の出納を経理するので,現金主義会計とも呼ばれる.かつて国立病院や国立の大学病院は官庁会計であったが,これでは病院の経営成績が確認できないので,企業会計に準じた特別会計をとっている.
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