病院史のひとこま
アメリカ社会保障制度勧告案
尾村 偉久
1
1国立小児病院
pp.68
発行日 1972年2月1日
Published Date 1972/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204576
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空襲により,産業や生活の施設が破壊荒廃していた終戦後まもない時期には,医療機関の復旧と,医療制度・医療保障制度の整備は喫緊の要務であった.
当時わが国はGHQ (連合軍総司令部)の指示・承認なくしてはすべての施策が実施できない状況下にあっては,わが国の医療を含む社会保障の方向づけのため,GHQの招請により来日し,わが国の実情を調査した米国社会保障制度調査団の調査報告書,ならびにこれに基づいてGHQがわが国政府に対して行なった勧告送達書は,重要な意義をもっていたのであった.あれから既に25年を経過してなお多くの大問題を抱えているわが国医療制度・医療機関の現況であるが,当時の勧告に含まれていた病院関係の主要点と,その後のわが国における変遷との関連を項目ごとに簡単にふり返ってみたいと思う.
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