病院の広場
夢に描いたユニークな病院
三宅 廉
pp.66
発行日 1972年2月1日
Published Date 1972/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204575
- 有料閲覧
- 文献概要
どんな病院でもその創設には創始者の夢があったにちがいない.私の主宰している病院もご多分にもれず私の小児科教室時代から描いていた夢を実現させたものである.
まず私は小児科学の盲点をついて,不幸な子どもを1人でもつくらぬようにという悲願を果たそうとする病院を計画した.それは現在の小児科臨床の対象となっている慢性疾患の多くは子どもの遠い昔(ことに周産期)にその原因をもち小児科医があとの祭りともいうべきその治療対策に悩まされていることに着眼したからであった.そこで問題の周産期にspotlightをあてるためにはどうしても産科と小児科が提携して一体となることが必要である.しかしながら封建的なセクショナリズムの権化ともいうべき医学部では,このことの実現はとうてい望むべくもなかった.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.