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—今村 栄一 著—「ヨーロッパの看護をたずねて—ナイチンゲールの足跡」
金子 光
pp.56
発行日 1971年11月1日
Published Date 1971/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204495
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楽しく読めて,‘看護’を考えさせる
日本病院協会が,看護のトラベリングセミナーというものを始めたのはもう何年か前になる.そしてそれはいずれの場合にも見学の対象国はアメリカであった.アメリカと日本の関係は戦後の占領時代から今日に至るまで,好むと好まざるとにかかわらず密接なものが生まれている.特に病院とか,看護とかいう面では,アメリカから学んだものは少なくない.したがって,看護のトラベリングセミナーがいつもアメリカに出かけていっていたのは1つの意味があったのだと思う.
今回,そのセミナーがはじめて眼をヨーロッパに向け,看護の発生の歴史を探って学ぼうと計画し,実施されたことは,看護に対する認識を一方的に偏しないという立場からたいそう意義があり,日本の看護を進めるうえに役立つことになるであろう.最初のセミナーを企画し自ら参加された今村栄一先生が,今回ヨーロッパのセミナーにも参加し,その報告書を著わされたわけであるが,医師の間でも,特に看護に対する理解者として定評のある先生の眼がとらえた今回の報告書の評価を依頼されて,真実困っている私である.
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