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看護白書を読んで—日本看護協会に質す
岩佐 潔
1
1病院管理研究所医療管理部
pp.111-113
発行日 1971年7月1日
Published Date 1971/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204386
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看護の現状と問題点と銘うった看護白書が本年5月,日本看護協会から発表された.この種のものとしては初めての試みとしてすでにいろいろ讃辞も呈されているとのことであるので,ほめるほうはそれらに譲り,私はいくぶんきびしい目でこれを通覧し,若干の私見を述べるとともに,1,2の事項について看護協会の考えを尋ねてみたいと思う.いうまでもないが,私は含むところがあって看護協会に文句をつけたり,あら捜しをしようとするものではない.それどころかわが国における看護がよりよくなることを熱望し,看護協会の活動に微力ながら協力し,あいともによりよい国民の健康と福祉を求めて,そのたあの研究をしている者のひとりなのである.
正直にいえば雑誌の編集者からこれをきびしい目で通読し大いに批判をしてくれと依頼されて,あまり気が進んだわけでもなかったが,よい機会だと思い直して始めから終わりまで一通り目を通してみた.その結果いくぶん感じたことを書くことにした.もっとも‘資料の不備,分析の不十分,裏付けを欠いた主張’など,すべての欠点を十分に認識したうえで,なおかつあえてこの白書を作ったということであるから,讃辞以外を書くことは不当な言であるとの謗に価するかもしれない.
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