霞ガ関だより
人工腎臓と腎不全対策
E.N.
pp.114-115
発行日 1971年7月1日
Published Date 1971/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204387
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その背景
従来,慢性腎不全に対する治療は食事療法や降圧療法,安静など,保存的療法に頼っていたが,人工腎臓装置による長期透析が実際に応用されはじめて約10年を経過し,更にここ5年ほどの間に,多くの知見や経験の積み重ねにより,透析療法に伴う医学的な問題や副作用についての問題の多くが解決され,今や長期透析療法は慢性腎不全患者に対する有力な治療法としてその地歩を確立するに至り,患者の延命効果を期待するのみでなく,社会復帰の可能性もきわめて大となってきた.
また,昭和42年10月以降,健康保険の治療として採用されたことも影響して,ここ数年の間に,大学などの研究機関のみならず,一般の病院にも人工腎臓装置が設置されるようになってきた.
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