特集 病院のインテリアデザイン
病院のインテリアデザインということ
落合 信子
pp.44-45
発行日 1971年2月1日
Published Date 1971/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204235
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過去数年間,聖路加国際病院のインテリアデザインの仕事を手伝わせていただいたが,病院の空間ほど,デザイン的に処理しにくい場所はないだろう.同時にこれほどデザインというものの必要性を感じた場所もなかった.元来,日本の病院は長い間医療のみに重点をおき,病人下宿とさえいわれ,その環境は常に二次的なものであったように思われる.これが病院内ヘインテリアデザインがはいりこむことの大きな障害であったのであろう.
欧米のようにデザインの歴史が古い国では,デザインは自然に病院の中へはいった.しかし日本の場合,上にあげた理山のほかに建築用式を考えねばならないだろう.伝統的な日本の建築の構造が病院という複雑な機能をもつ場所と合体していくことは,かなりの抵抗があったはずだろうし,またこれからもあるだろう.
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