特集 一般病院におけるリハビリテーション部門
一般病院におけるリハビリテーションの1つの試み—東京逓信病院脳卒中外来
林 弘
1
,
平出 聰
1
1東京逓信病院内科
pp.36-38
発行日 1970年7月1日
Published Date 1970/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204010
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はじめに
私どもが総合病院の内科医として脳卒中のリハビリテーション(以下リハと略記)を志してから,まだ3年たらずで,本来なら公刊誌上にまとまった意見を申し述べる段階ではない.しかし,私どものわずかな見聞や体験からも,日本におけるリハの現状はまことに多くの問題をかかえており,なかでも重大なのは医療従事者,特に指導的立場にある総合病院の医師たちについてさえ,リハ活動の正しい方向づけへの熱意が疑われることである.それはカタログどおりの施設や人員の整備の問題ではなく,‘リハ’を志すもののオリエンテーションのあり方にかかわるものである.
複雑かつ非情きわまる現代工業化社会の中で,ある意味では巻き返しの作業を進めるためには,志の強さもさることながら,現状を見きわめる眼の確かさと応用のきく具体化能力がなによりも要求される.その道の険しさは,わが国における既存のケースに照らしても思い半ばにすぎるものがあろう.
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