ホスピタルトピックス
フランスの精神神経科専門医の数的変化
鈴木 淳
1
1病院管理研究所
pp.101
発行日 1970年6月1日
Published Date 1970/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204000
- 有料閲覧
- 文献概要
1950年のフランス国民総支出を100とすると,1964年には197とほぼ倍増している.その構成種目ごとに同期間の同指数をみると,衣食住はほぼ総支出なみであるが,レジャーは240,交通は307,衛生医療は318であって最高の増率である.おなじようにして衛生医療費の3要素(診療・入院・薬品費)の変化をみると,表1のように,薬品費が575もの著しい数を示しているが,診療費がさほどでないことが注目される.精神医療のために支出された額の正確な統計はみられないが,1952年の精神病院在院患者4.9万が1963年には10万8000となり,院外診療施設の受診者が1954年には8万8000であったが,61年には28万5000に達していることから,他の疾病に比べて驚異的増加であることが推定される.
1952年から1965年までの間に人口は4271万から4915万と増加したのであるが,表2のように,医師数は152の増率をみ,なかでも一般医よりも専門医がふえている.専門医の専攻科別指導をみると,小児科284,循環器科と消化器科の両科がともに279,精神神経科が224,産婦人科が198である.精神科医数のこのような伸長の結果,専門医総数のなかに占める精神神経科医の序列は1952年の第7位から第5位に上昇した.
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.