Hospital Topics 特殊病院
フランスの精神病床対策
鈴木 淳
pp.99-100
発行日 1964年1月1日
Published Date 1964/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202283
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フランスの医療第4次計画の方針が近着のGestions hospitalières誌No.27に掲載されている。本計画は本年より明年にかけて実現されるもので,精神障害者対策の一環をなすものである。1万2千入院ベットの増床,13のデイ・ホスピタル,76精神衛生相談・診療所,20アフタケア,アルコール中毒者用1,200床の内容である。入院病床13,200床は既設の精神病院に増床追加されたり,または新しく建築されるが,いずれにせよ,無計画に配置せられるのではなく,地理的諸要因,交通,経済交流,地域人口構成を目安とし,従来から形成されていた精神衛生網の粗さを補うのを主眼としている。1940年より精神病院を核として精神衛生相談・診療所が支点となる網が次第に大きく,かつ細密になってきたが,これをよりいっそう拡大しようとするものである。他方,デイ・ホスピタルを全国的に設け,アフタケア施設を増加させて,精神衛生網を複雑化させ,機能的にも各支点を分化させようとする意図である。このため,精神病院相互間の機能調整,精神衛生相談・診療所の分化と対象限定,両者間の連絡,デイ・ホスピタルの役割が論ぜられている。これらの施設新・増築のため関係予算37億NF (1NFは87円内外)から7億5千万NFを計上している。ちなみに,一般綜合病院は7億1千万NFである。
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