Hospital Weather Cock 特殊病院
フランス精神病院の分類
A.S.
pp.84-86
発行日 1963年3月1日
Published Date 1963/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202086
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第2次大戦前,フランスの精神病院は欧米先進国の中で比較的遅れているとの批評があり,現在でも「フランスの精神病院は外国人に教える何物も持たない」とフランスの専門医自身が卑下しているが,戦前に建てられた旧式な精神病院でも,日本にそのまま移築したら,我国の模範病院になるに違いない。元来,欧州では建築は不燃性なのて一度建てられると改造が困難である。歴史の古い程,建物は旧式なのであるが,精神病院の改革は先づその建物からというスローガンの下に,1948年以来,病院近代化計画が樹てられ,新・改築が1961年代終期を目標に進歩し,新築精神病院は逆に欧州のモデル病院となり,公衆衛生との関連は英国と異なった面でこれまたW.H.O.の激賞するところとなった。
フランスで精神病院法の制定せられたのは1838年であり,それ以前は精神病者は養老院内に保護されていた。この法律によって各地に精神病院が建築せられ,而も特長あることは,一般病院の管理方式とは異なって精神病院をすべて国または県の直接支配下に属せしめたことである。赤十字,その他の公益法人にも国の任命する監督官を派遣して,精神病院に関する限り,公約権威が隅々迄およぶ様に努めた。このことは,我国の医療法人・その他の法人・私立の中小病院が全国の精神病院の71%を占めている現状に比較すると興味深いものがある。
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