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—幡井 ぎん 監修—「看護で扱う医療器械 その原理と操作手順」
冲中 重雄
1
1虎の門病院
pp.27
発行日 1970年4月1日
Published Date 1970/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203920
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看護婦のみならず医師にも必要な知識
「看護で扱う医療器械,その原理と操作手順」(幡井ぎん監修,高橋美智執筆,医学書院)が出版されたが,本書は日常病床で働かれる看護婦さんにとって,誠に時宜に適した好指導書であると思う.この書の内容にこまかくふれる必要はないと思うが,看護に必要な種々の医療器械をとりあげて,その扱い方とその原理について,豊富な実物写真,必要に応じて解説的模型図を加えながら,親切な,ゆきとどいた解説がつけられている,注射器具・体温計・血圧計などの基本的なものから,気腹・気胸,酸素療法,さらに気道確保や人工呼吸器など救急処置に必要な各種の器具の扱い方,高圧蒸気滅菌装置など,高度の知識・技術を必要とする器具に至るまで,近代医学を背景とする臨床の場で,日常欠くことのできない医療器具について,周到な配慮のもとに説明が加えられているのである.私は,本書を通覧して,今更ながら現代の臨床医学,看護学の進歩している状況に驚くとともに,一方本書から得られるような知識・経験は,すべての看護婦さんがぜひ身につけておいていただきたいと思うと同時に,看護婦のみでなく,医師にとっても,たいせつな修練であると強く感じたのである.
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