病院建築・4
東北大付属病院におけるICUの設計と運営
岩月 賢一
1
,
渡部 美種
1
1東北大麻酔科,集中治療部
pp.83-89
発行日 1969年2月1日
Published Date 1969/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203571
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はじめに
入院患者の中には,自分自身の用事やひとり歩きのできる軽症のものもあれば,一刻も目を離せない重症のもの,あるいはその中間のものもいるが,従来の病棟ではこれらの患者を各科別に収容して,それぞれのナースステーションの管理下において診療看護にあたっていたため,医師や看護婦の手が自然と重症患者に集中し,他の患者には十分に手がまわらない状態になることが少なくなかった.
とくに重篤な患者には,酸素吸入やレスピレーターによる人工呼吸,あるいは持続的な心電図の監視などを必要とすることも少なくないが,このような場合にはそれぞれ必要な器具を病室に運び,医師もそのつど病室に出向かなければならない不便があった.しかし,必要な器具を1か所に集め,患者をここに収容すれば,このような不便を解消できるばかりでなく,これまでよりもいっそう有効かつ能率的な治療看護が期待できる.
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