特集 気管支喘息治療ガイドラインを活かす
Key Articles
青木 誠
1
1国立東京第二病院総合診療科
pp.755
発行日 1997年9月15日
Published Date 1997/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902243
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気管支喘息はcommonな疾患であり,プライマリケアを担当する者が,救急処置のみならず慢性期管理にも習熟することが望ましいと考えてはいたが,従来,喘息治療は熟練化,専門化が必要で,微妙な匙加減的要素が要求される面が多いとされ,この点がgeneralistにとって壁になっていた.
簡便な器具で測定できるピークフロー値という客観的な重症度の評価法と,副作用が少なくかつ有効な副腎皮質ステロイド吸入療法が導入されたこと,またその有効な利用法がガイドラインとして出されたことは,この壁が低くなったことを意味すると思われる.喘息患者の7~8割がガイドラインに従った管理で対処できるともいわれているが,専門医とは何か,generalistとは何か,といった疑問に,なんらかの答えを示してくれるガイドラインでもある.代表的なものに,米国NIHガイドラインと英国胸部疾患学会ガイドラインの改訂版があり,幸いなことに両者とも日本語訳が出版されている.
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