特集 神経疾患エマージェンシー
Key Articles
北野 邦孝
1
1北野朋友会松戸神経内科
pp.342
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901483
- 有料閲覧
- 文献概要
神経疾患に関する「エマージェンシー」には大きく分けて2つの意味が含まれている.「救命」と言う意味での緊急処置の必要な場合ももちろんエマージェンシーであるが,発症直後に「良好な機能的予後を確保する」こともエマージェンシーである.例えば,小窩性脳梗塞(lacunar infarction)による極めて軽度の片麻痺であっても,特にそれがprogressing stroke (stroke in evolution)であれば,初期治療のあり方によって機能的予後と患者のQOLは大いに違ってくる.そして,このような2つの意味での「エマージェンシー」は脳(上位中枢神経系とでも言おうか)・脊髄・末梢神経・神経筋接合部・骨格筋といった神経系のシステム全体にわたって存在する.本号では主要な神経疾患のエマージェンシーが各論で取り上げられており,「神経系システムのどのレベルに問題があるか?」,「原因疾患は何か?」を考えながら,「最も適切な治療」を行う具体的な方法が症例を提示しながら解説されている.それぞれに重要な参考文献が挙げられているが,日常診療で手元にあると便利な数冊のモノグラフを紹介する.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.