アメリカを回って
アメリカの地域病院の新しい役割
牧野 永城
1
1聖路加国際病院外科
pp.53-57
発行日 1969年2月1日
Published Date 1969/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203562
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はじめに
日本病院協会主催の第2回トラベリングセミナーに,アドバイザーとして参加させていただいた.2週間ナース一行とともに西海岸のいろいろの病院やNursing homeを見学し,さらにその後2週間,一行から離れて単身で東海岸にむかい,途中,昔自分がインターンや外科のレジデントをしていた病院などを含めて,いろいろの病院を尋ねて回った.5年半ぶりに再会したアメリカだったが,この間に起こっていたいろいろの変化は,予期以上でたいへんな勉強になった.見学の収穫を大ざっぱに分けてみると,(1)一般地域病院の医療領域に関する考えが拡大されてきていること(2) Keiser Health Planにみられる将来の予防医学の展望(3)病院で急速に進んでいる技術革新(4) ICU, CCUの考えかたがすでに実験期,模索の時代を過ぎて,その様式が定型化されてきていること(5)看護婦不足に対する処理のしかたが,ますます思いきって過去の医療上の常識を破りながら,現実的に進められていること(6)病院における医師の卒業後教育に関しては,Straight Internshipが漸次一般的になってきていることなどになるだろうか.
ここでは編集者の注文で,以上の中から,特にいわゆる地域病院における医療概念の変化といったことを取りあげて述べてみる.
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