第18回日本病院学会臨時増刊号 シンポジウムの部
IV 未熟児室の計画と運営
尾村 偉久
1
,
室賀 不二男
2
,
桑田 起與
1
,
中嶋 唯夫
3,4
,
谷口 汎邦
5
1国立小児病院
2都立豊島病院
3日本赤十字社本部産院部
4日本医科大学婦人科
5東京工業大学社会工学科
pp.77-78
発行日 1968年10月20日
Published Date 1968/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203458
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司会報告
4人の演者は,公立総合病院,国立小児専門病院,日赤産院,建築学教室と,異種類の組織体の,いろろなポストにある方々なのが特長だが未熟児医療の計画と運営については,期せずして共通した意見が多々あったことは注目に値いする。その主なものは,1.わが国の現状では,未熟児と少なくとも同等以上の施設,設備,技術を要する有病新生児(とくに生後間もないもの)の収容治療施設が欠けているため,未熟児病室に入れざるを得ないのが実態である。したがって,未熟児との区分運営に苦労し,看護力も過重となる。すみやかに有病新生児の収容医療対策を樹立してほしい。2.未熟児室の運営には,熟練した看護力を多大に必要とする。とくに夜勤のウェイトが想像以上に大きい。最低患児2名に対し1名の看護要員を必要とし,これに合併症や有病新生児が加われば,1対1に近づく。3.未熟児室には専任の主治医,看護婦を必要とする。ただし,関連各科との密着した協業態勢が必要。4.未熟児室の設計,運営の上で,感染防止,常時看視の徹底,保育環境の完備,災害防止,火災時避難方法について充分な注意が必要である。また閉鎖的な環境内の勤務員の心身の過労防止に注意する必要がある。5.高層化に伴い,未熟児室の設置階層は,日常の必要な条件と,災害避難とを総合勘案して決めるべきだ。6.調乳,臨床検査などについて中央化,あるいは専用化は病院全体の条件で決まる。
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