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病院を壊す新しい建設のために—国立東京第一病院
pp.5-12
発行日 1968年9月1日
Published Date 1968/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203425
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戦後すでに20余年。病院の数は激増し,また増築も行なわれてきた。最近は,このうえに病院の巨大化傾向がみられてきた。それは経営的理由によるものでなく,病院機能の拡大にもとづくものである。国立東京第一病院の建物は,昭和4年に陸軍の中央病院として建設されたもので,当時は最新の病院として百科事典にも紹介されたものである。しかし40年の星霜は水漏れをおこし,窓わくを腐らせたばかりでなく,近代的医療を受容するには不完全なものとしてしまった。そこで国立医療センターの構想のもとに,昭和43年より3年計画で16階建ての新病院建築が着手された。
ここで注目をひくことは,建物を半分残して医療を継続しながら,鉄筋コンクリート5階建ての建物を倒壊する作業である。かつて東京湾からの艦砲射撃にも耐えられるようにと建てられた堅固な建物が,どのように壊されていくかを追いかけてみよう。
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