病院の広場
病院建設の一面
千葉 保之
1
1中央鉄道病院
pp.13
発行日 1966年12月1日
Published Date 1966/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202992
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病院というものを,ホテルと医療とに割り切ってみるとすれば,このごろ,日本のホテルの近代化は目ざましい。ぞくぞくと立派な高層建築が各地にそびえてきた。デラックスさを競うように,つぎつぎと,新しい趣向をこらして現われている。ホテルは,もはや日本でも,建築学的にはもとより,経営学的にも軌道に乗ってきているようである。ことに,利用者の考え方がホテルの近代性を消化しつつあることが目につく。
医術そのものは普遍的であり,世界どこへ行っても通用できるが,いざ,その実施となると,その国の医療制度によって,時に大きくちがってくる。日本の病院が,それぞれ独立した外来診療と入院治療とを同時に果たさねばならぬことなど,病院づくりには,まず当面する課題となってくる。新しい病院は,こうあるべきだなどと気負ってみても,利用者のほうがその気になってくれなかったら,唯我独尊になってしまう。
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