特集 総婦長
外国の病院の総婦長—その一般的役割りと2,3の個人例の挿話から
荒井 蝶子
1
1前病院管理研究所
pp.34-39
発行日 1967年12月1日
Published Date 1967/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203242
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諸外国の病院での総婦長は,どういう組織上の位置にあるのであろうか,また,どういう役割りを果たすべき地位にあり,その機能としてもつものは何であろうか。そのようなことを中心に,ここに述べることになっている。しかし,米国を除き,英国を含む西欧の諸国においてすら,いわゆる「総婦長とは」といういい方で,その役割りを述べることは,個々の病院の形体や,その国の女性の社会的な地位や,それぞれ,総婦長個人の能力や性格やらによってはなはだしい差違があるようであり,断定的なことを,一般論的ないい方で,述べることは,まことに危険であると思う。
一方,たとえ,外国においては,それぞれ個々の差が大ではあっても,戦後の日本の病院において,看護婦のグループを監督するべき看護総婦長制度が一応どうやら常識的なこととして認められるようになったいきさつから比較すれば,やはり,外国における総婦長制度とその機能は,確固とした,歴史の背景にたつ地位であり,基本的には,ある一定の原則に従って,確然とした,職務の分担が,すでに,確立された職位として認められているのである。であるから,この根本的な,西欧と,日本との,その差違から推して,外国における総婦長像を述べることをここで試みることは,あながち,無駄なことではないと思うにいたったのである。
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