特集 病院職員とレクリエーション
病院管理とレクリエーション
石原 信吾
1
1虎の門病院
pp.27-30
発行日 1967年5月1日
Published Date 1967/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203083
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雨が降ってもレクリエーションに参加
雨がはげしく降っている。5回にわけたレクリエーションの第何回目かの一隊が今日も出かけることになっている。しかし,こんな雨じゃせっかくのレクリエーションもだいなしだ。可愛そうだがしかたがない。今度のメンバーの中には精進のよくない連中がよほどたくさんいるにちがいない。このぶんではきっと参加者も少ないことだろう。そう思いながら,しかし,とにかく病院の玄関まで見送りにでた。
ところがどうだろう。3台連ねた貸切りバスの座席はほとんど埋まっている。「こんな日で残念だね。でも,これじゃむこうに着いても遊べないから,ただバスに乗って行ってくるだけじゃないの」と1人の職員に声をかけてみる。「でも,その間病院の仕事から離れられるだけでもいいんです」と相手の返事はしごく明快だ。まわりの人達もニヤニヤしているところをみると皆同感らしい。天気でなくて少しはがっかりしているのだろうが,それでもやはり,そこには行楽にむかう前のうきうきした気分がいっぱいただよっている。私の心配は杞憂だったようだ。そして,私自身もいつのまにか皆と一緒の楽しい気分にひたっていた。
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