リハビリテーション施設のあり方(1)
東大病院リハビリテーション・センターの運営—医師の立場から
佐々木 智也
1,2
1東大物療内科
2東大物療リハビリテーンョン・センター
pp.66-69
発行日 1967年1月1日
Published Date 1967/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203019
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はじめに
物理療法は薬物療法,食餌療法と並んで非常に古い歴史をもっているが,前近代的段階においては主に痛み,炎症などを抑圧する手段として利用されていたに過ぎない。しかし,二次にわたる世界大戦を経て,多数の戦傷病者を社会に復帰させる要請が高まり,その最有力な方法として理学療法physical therapy (P.T.),作業療法occupa-tional therapy (O.T.),言語療法speech therapy(S.T.)など物理医学的方法が応用され,漸次他の領域にも及ぼされるようになった。すなわち,戦傷病者のみならず一般の外傷,中枢および末梢の神経疾患,リウマチ性疾患,精神疾患,言語・聴力・音声の障害などのリハビリテーション—rehabilitation—に主な対象が拡大され,物理医学リハビリテーション科—Department of Physi-cal Medicine and Rehabilitation—は現代の大病院に不可欠のものとされるに到った。しかし,わが国においては,未だにきわめて少数の病院に設置されているに過ぎないので,教育病院として特殊な条件下にはあるが,その例として東京大学医学部付属病院の施設運営を紹介することとした。
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