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病院の物品管理
落合 勝一郎
1
1聖ルカ病院
pp.675-681
発行日 1957年10月1日
Published Date 1957/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201277
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病院は一般に設備とか,薬品,衛生材料等の医療品の外,燃料,給食材料,消耗品等,所謂"物"についての取扱いが大ざつぱであると云う定評がある。これはつまり病院には"物"の無駄が非常に多いと云うことである。"物"を買入れ,使用し,そして保管する事務が頗る軽く取扱われ過ぎて,物品管理は科学的に全く研究されていない。物品管理は病院管理の取り残された宿題であり,又病院経営のアナでもある。"金"は非常に厳しく取扱われるが,"物"は"金"の変形であり,即ち云い換えると,"物は"金"で購入された,"金"と同じ価値のものであるにも拘わらず,その扱いは慎重でない。貸借対照表の上では病院が持つ現金予金も"物"も共に資産の部に表示される。これは"物"の減耗は即ち"金"の減耗と同じ意味であり,病院の資産がそれだけ失われた事を意味する。そこで,仮令,診療,その他の収入が順調であつても,物品管理が完全に行われないとざるから洩れる水の様なもので,物品管理は病院経済に直結する深刻な問題であることは銘記されなければならない。
物品管理を業務面から分けて見ると,次の四つに分類出来る。
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