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編集主幹ノート
吉田 幸雄
pp.96
発行日 1966年2月1日
Published Date 1966/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202796
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- 文献概要
従来病院組織論は,医師である病院管理学者が論じていました。そして守屋,島内,原,今村,小生などの事務長論もありました。しかし本号の企画は事務長の現職にある落合幹事が担当し,事務長またはその系統の人びとのみで自由に企画し,自由に論じていただきました。
しかし結果は,事務長独善論にはなっていないことは妙です。いやそれが当然かも知れません。病院経営管理を正しく認識すれば同一の結論がでることになるのでしょう。すなわち病院事務長という同一呼称であっても,単に(1)病院業務の執行面でラインの中間管理者としての事務長の役割のみが考えられる場合,(2)人事,会計企画,文書等の包括管理のスタッフ業務を担当する官房長的存在を合わせて考えられる場合,さらに(3)病院が単独の経営体としての実体を有するときには経営者の1人として責任を持たねばならぬ場合とがあることになりましょう。したがって単に病院事務長といっても,この3つの役割の内どれに相当するかによって,組織上の地位が違ってしかるべきです。それが明らかにされていないことが,混乱のもとになっているのではないでしょうか。あわせて事務長の資質と人事に間違いを生じやすいことにもなります。
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