特集 外来看護
外来看護のあり方
岩佐 潔
1
1病院管理研究所医療管理部
pp.15-20
発行日 1965年11月1日
Published Date 1965/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202712
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1.はじめに
大きな外来部を持っているのが,わが国病院の現状であって,多くの病院では診療面での外来業務は入院業務にあまり劣らない仕事量を持っている。ところで,病院の本来的使命は入院患者のサービスであるから,病院における外来活動はできるだけ制限すべきだという意見が,最近一部に起こっている。もちろん,外来業務の多忙に乱されて,入院業務がおろそかになるようなら,外来活動を制限することも必要であろうが,病院外来部がたくさんの患者を取り扱い活発に活動すること自体は,何ら悪い現象ではない。それどころか医学の進歩,ことに各種検査技術の発達は,あらゆる病気の初期から必要な諸検査を徹底的に行なって適確な診断をつけることを要求するので,初めからこれら検査施設が十分に整った病院外来部に患者が集まることは,当然の成りゆきといわざるを得ない。それゆえ,これまでは比較的小さな外来部しか持たず,とくに病院外来部では,医療的貧困者を主として取り扱う習慣になっていたアメリカなどの病院でも,最近ではその方針を改め,外来部を拡充し必要な患者はすべてその外来部に受け入れる方向に変わりつつある。
このように病院外来部の重要性が増加するのは世界的趨勢であるので,独りわが国だけが逆行するはずはない。
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