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編集主幹ノート
吉田 幸雄
pp.92
発行日 1964年11月1日
Published Date 1964/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202468
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10月はオリンピックに明けオリンピックに暮れました。世界の各国々から若人が東京に集まり,西も東もなく,ただひたすらに,直く,美しく,その技と力を発揮しました。大国の旗,小国の旗,白人の旗,黒人の旗,古い国の旗,新しい国の旗…….旗,旗が,整然とひとつのマーチに統一されて行進したあの光栄は世界の人びとに新たなる人類の希望を与えるようでした。
この祭典は,とくにわれわれ日本人には新たな勇気を与えたのではないでしょうか。しかもそれは,世界の文化への貢献という勇気を,国民のひとりひとりに植えつけたのではないでしょうか。経済力の増強は手段であって目的ではないはずです。あのすばらしいオリンピックを開催できた能力は,単に経済力だけではなく,人類の福祉へ大きな貢献をなしうる能力を示したものでしょう。
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