特集 病院のPR
病院内のPR
姉崎 正平
1
1東京都立大学大学院社会学
pp.19-26
発行日 1964年5月1日
Published Date 1964/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202341
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Ⅰ.はじめに
我国の医療をめぐり,様々の問題が山積している。病院はこの問題を少なしとしない医療制度の中にある以上,内部的にもその影響でいろいろな問題をかかえている。これらは近代化への脱皮を迫られているわが国の医療制度や病院経営における過渡的現象ともいえる。医療の公共性を考えるとき,これらの問題に対し,国民の理解と支持に基づいた納得のいく解決がなされることが望まれる。これは医療関係者や病院によるPRによりなされ得る面が多い。
特に病院経営に関しては,医学の進歩発展に呼応し,その機能を十分発揮させるため,広く一般の科学技術や経営管理を取り入れていかねばならない。それは規模および専門分化の度合を増大させるであろう。そのような傾向の中で病院の組織化を進め,合理的且つ有機的な経営を行なうには,経営担当者が職員および患者の理解・信頼・協力を得なければならない。また一般の人々が医療や病院の実情や問題を最も切実に感ずるのは患者となったとき病院職員等の医療関係者を通じてである。これらの点において,病院職員および患者に対する病院内PRが重視さるべきである。
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