座談会
アポイントメントシステムその現状と将来
阿部 克己
1
,
葛谷 信貞
2
,
長谷 和三
3
,
福岡 良男
4
,
吉田 幸雄
5
1国立がんセンター調査課
2虎の門病院内分泌科
3山王病院
4東京医科歯科大学医学部
5厚生省病院管理研究所
pp.54-64
発行日 1963年3月1日
Published Date 1963/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202078
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司会(吉田) 御承知かと思いますが,12月2日に,NHKのラジオの特集番組で,患者の悩みと医者の悩みという座談会がありました。それは,秋山チエ子さんと私の対談という形になっているのですが,しかしすでに沢山の録音がありまして,この間を縫って,二人で話合いをしたのです。その一番最初に出てきたのが病院の外来はなぜこんなに混むかということでございました。患者がこんなに混雑するのは,なにか理由もあるだろうし,病院側としてもこれに対する処置を考えてしかるべきだという意見ですね。これは改めて問題にするまでもなくどちらの病院でも,特におはやりの病院であればあるほど,現実に苦しまされている問題です。そこで,これには,患者側があまりにも病院の使い方がメチャクチャだという面もあると思いますが,しかしまた一方,病院側もただ従来と同じように,9時から診療開始ということで,自由に患者が来るに任せていることにも問題がある。これをまずどうしたらいいか。きょうは,主として病院側からの改善案を検討すべきだと思いますが,御承知のように外国では,予約制度があり,ほとんどそれによって,医者も一定の時間落ち着いた診療をし,患者も安心して診療を受けられる状態であります。それが何故日本では,予約制度ができないのか,また,今後これを少しでも取上げてゆくとするならば,どこから手をつけていったらいいか。
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