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療養所内の回復期管理としての研修療法
黒沢 和夫
1
1北海道教員保養所
pp.299-303
発行日 1962年4月1日
Published Date 1962/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201910
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はじめに
結核の治療や対策が進歩向上するにつれて,最近ではいかにして回復者からの再燃や増悪をなくするかという問題が,結核問題の重要なテーマとなってきた。この再燃防止のためには復職者の健康管理,すなわち精密検診,職場の勤務軽減とか配置転換および化学予防といったことが主として考えられているが,まだ療養中の時代から回復期管理といったことが考えられるべきものと思う。アフタケアー施設が完備していない現在,入所療養中から軽症者に対しては,将来に備えて再燃防止の対策をたてる必要があろう。つまり,できるだけ治癒を確認して,復職基準に達した者だけを復職させ,中途半端で職場に戻さないことと,職場復帰の準備訓練を行なつて,いきなり療養から職場へ直結させないことが,再燃防止の中心となろう。
職場復帰の準備としては軽快期に達してから,できるだけ復職後の現場に近い作業を課することが必要で,それによって肉体的にも,精神的にもかなり自信をもって復帰することができるし,ひいては復職当初の疲れも,かなりへらすことが可能であろうと思う。
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