座談会
金の生かし方
吉田 幸雄
1
,
石原 信吾
2,3
,
本間 五郎
4
,
小野 肇
5
,
守屋 博
6
,
荘 寛
1病院管理研究所
2病院管理研究所経営管理部
3虎の門病院事務部
4本間外科病院
5大口病院
6国立東京第1病院
pp.93-107
発行日 1962年2月1日
Published Date 1962/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201881
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■虎の門病院で図書費を拡充
司会(吉田)お忙しいところ大へんどうも……。きようの話題は金の生かし方という病院経営でいちばん苦心を要する課題を中心にお話を願うことになったのであります。申し上げるまでもなく,病院というものは利潤を追求するところではなくて,患者のために医療を提供するのが本来の仕事であるわけです。従って病院の財政問題というのは,患者からいただいた金を,いかにうまく使ってそれを患者または患者の世話をする職員に還元するか,ということにあるのではないかと思います。そこで,はいってきた金を上手に使うことによって患者の利益もはかれますし,また合わせて経営も安定するのじゃないかと思います。で,実はこの問題を取り上げた理由は,病院によって非常に金の使い方が消極的であって,なるべく使わないように使わないように考える。すべてただ節約を1本にして経営をしようと,もちろん入るを制し出ずるをはかるのが原則であるとは思いますが,出るを制し過ぎてしまって,かえって本来の機能を低下させては患者のためにもならんし,また経営を支える周囲にも影響する。こういう結果も生じてくるのではないかと思うんであります。
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