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病院と環境の快適
冨田 重雄
1,2
1市川市病院協会
2財団法人化学療法研究所付属病院
pp.489-492
発行日 1960年7月1日
Published Date 1960/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201682
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I.
われわれは昭和33年3月病院における応対の調査研究を実施し,病院におけることばつかいと態度が少なからず診療効果にも影響があることを知つた。調査の結果は,昨年10月末会報第3号をもつて「ことばつかいと態度」を特集し,本年3月25日単行本「ことばづかいと態度」——病院サービス改善のために——を医学書院より発行した。
最近の病院経営においては,医術や看護技術などの研究はじゆうぶんとり入れられているが,反面サービス面においては相手が身体的に,精神的に病人であるだけに,上記のような問題をも,ないがしろにできないことをわれわれは強調したつもりである。「病院と環境の快適」という題目も漸く日本病院協会が新年度より病院の緑化としてとりあげたところであるが,これは遅きに過ぎたと考えられる。しかしこれによつて動的なことばづかいと態度に対して,さらに静的な意味において,おそまきながら病院の環境が快適を保持し,病院が患者の治療の場として,また働く病院職員の作業の場としてじゆうぶんな要件をみたすよう努力しなければならない。
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