原著
快適な妊娠・出産を支援する基盤整備に関する研究
尾島 俊之
1
,
阿相 栄子
1
,
川野 貴久
1
,
中村 好一
1
,
岡井 崇
2
,
戸田 律子
3
,
北井 啓勝
4
,
林 公一
5
,
三砂 ちづる
6
,
柴田 眞理子
7
1自治医科大学公衆衛生学
2昭和大学医学部産婦人学
3NPO法人 いいお産プロジェクト
4埼玉社会保険病院産婦人科
5国立下関病院産婦人科
6津田塾大学学芸学部国際関係学科
7上武大学看護学部
pp.1415-1420
発行日 2004年11月10日
Published Date 2004/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100680
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妊娠・出産医療に関して,実施をしたほうがよいか否か議論のあるいくつかの点に関して,わが国における臨床医の考え方や実態を明らかにすることを目的として,日本産科婦人科学会などの名簿から無作為抽出した対象に自記式郵送調査を行った.717名から回答が得られ,回収率49.6%であった.
出産を取り扱っている医師に対して,妊娠や出産の治療方針などに関する考えや実態を問うた結果,賛成および80%以上の症例で実施している割合はそれぞれ以下の通りであった.すなわち,砕石位での分娩72%,67%,産婦の希望による体位決定52%,10%,早産予防のためのベータ刺激剤使用93%,23%,塩分制限等86%,24%,授乳時間を定めないこと75%,40%,分娩直後の母子同室58%,27%であった.エビデンスや妊産婦本人の希望を重視した実施の推進,必要なエビデンスの蓄積,賛成でも実施していないものについてはその理由の解明が必要と考えられる.
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